はじめまして、総入れ歯専門の歯科医院として開業しております澤田歯科医院の澤田宏二です。
当院と他の歯医者さんとの違いは、総入れ歯専門として、特に”難症例”と言われる患者さんの総入れ歯治療に積極的に取り組んでいるところだと自負しております。
総入れ歯治療における難症例とは?
では、「総入れ歯治療における難症例とは一体どういうものなのか」、について少しご説明させていただきたいと思います。
歯茎(どて)の高さ
まず、「歯茎の高さ」の状態についてです。
下図の右側をご覧いただきたいのですが、この様に歯茎のどてが割と高さのある患者さんの場合は、入れ歯としては歯茎を抱え込むような形で作ることができて、歯茎が入れ歯の横揺れを抑えてくれますので入れ歯を安定させることが容易です。
このように歯茎の高さがあると、入れ歯としては作りやすく、患者さんとしても使い勝手のいい入れ歯に仕上がります。
それに対して、ご高齢でお歳をお召しになってくると歯茎が痩せてきますし、特に女性の場合は、骨密度が低いので歯茎がより痩せやすくなります。
歯茎が痩せますと、高さのあった歯茎の山がなくなってしまい、場合によってはほとんど平らになってしまう場合もあります。
それが、図の左側の状態です。入れ歯が横に動こうとしたときに歯茎や骨で支える効率が悪いため、入れ歯がお口の中で動いて不安定になってしまいます。
この状態では、患者さんとしては、うまく噛めない、動いてしまう、外れやすい、ということになってしまいます。
図では多少は歯茎の山が残っているように描いていますが、本当に痩せてしまっている患者さんの場合では、歯茎の高さが全くなくてお皿のように凹んでしまっている場合もあります。
そのような状態の歯茎になっていますと、安定した入れ歯を作ることはよりいっそう難しくなる訳です。
こういった歯茎になってしまわれた患者さんの場合は、やはり入れ歯が得意な歯医者さん、そして時間をかけて丁寧に入れ歯を合わせるシステムのある歯医者さんに行かないと、なかなかうまく噛める入れ歯を作ることができないと思います。
現実問題として、「いろいろな歯医者さんに行ってみたのだけど、うまく作ってもらえない」、「なかなか安定して噛むことができない」、ということで噛める総入れ歯を諦めてしまっている患者さんも多いと思います。
澤田歯科医院では、こういった歯茎の高さがなくなってしまった難症例と言われる患者さんを数多く診させていただいています。
患者さんの歯茎や舌や筋肉などに調和させて、安定してものを噛めるようになるように丁寧に作っていくのが、当院の取り組んでいる総入れ歯治療です。
このように歯茎の土手の高さによって、最初にご紹介したような割と安定して噛める様になる患者さんと、何をやってもなかなかうまくいかない患者さんがいらっしゃるということを知っておいていただきたいのです。
これが、1つ目の難症例の基準です。
噛み合わせ
次に、「噛み合わせ」の問題です。
噛み合わせが安定している方と、不安定な方がいらっしゃいます。
安定、不安定という表現は、総入れ歯治療の歯医者としての表現ですので具体的にご説明させていただきます。
口でカチッと噛んで噛み合わせたときに、大体一箇所、つまり”同じ場所”で噛む方と、そうではなくて噛み合わせる度に”いろいろな場所”で噛む方がいらっしゃいます。
後者の方は、噛むときごとに右側で噛んだり、左側で噛んだり、あるいは、前で噛んだりといろいろな場所で噛む方です。
前者の方、大体一箇所で噛む方の総入れ歯の場合は、その場所に噛み合わせをしっかり合わせてあげれば比較的容易に入れ歯を安定させることができます。
ところが、後者の方の場合は、顎を自由に動かす噛み方の傾向があるので、噛む”場所”が安定しないことにより総入れ歯作りの難易度が上がります。
左で噛んだときも、右で噛んだときも、そして前で噛んだときも入れ歯が安定するように調整しなければなりません。
この調整の難易度が高くて、丁寧に丁寧にどこで噛んだ場合でも噛み合わせが合うようにしてあげないと入れ歯が安定してくれないのです。
もちろん、できあがってからの噛み合わせの調整だけでなく、総入れ歯を作って行く段階での意図した歯の並べ方も大切なポイントとなります。
少しでも丁寧さを欠くと、ちょっと横で噛んだだけで、うまく噛めないということになってしまうのです。
これが2つ目の難症例の基準です。
非常に難しい症例とは?
こ れら「顎の高さ」の吸収の度合いと「噛み合わせ」の2つの要素を考えたときに、顎の高さがあって、かつ、噛み合わせが安定している(いろいろな場所で噛ま ない)患者さんの場合は、割と総入れ歯を作るのは簡単で、どこの歯医者さんでも安定して噛める総入れ歯になると思います。
下図の右側でいうと左下(易)になります。
ところが、「顎の高さ」「噛み合わせ」の条件のどちらかが、難しい方にシフトすると難易度が上がります。
そうしますと、噛み合わせを丁寧に合わせる、あるいは、歯茎や粘膜にしっかりフィットするように調整してあげる、といったことをやっていかないと安定した総入れ歯にはなりません。
更に、どちらの条件も難しい、つまり、歯茎が痩せていて、噛み合わせも不安定、つまり図で言いますと右上、ここがいわゆる”難症例”と私が考えている状態です。
つまり、どちらの要素も難しい、歯茎は痩せているし、噛み合わせも不安定という非常に難しい症例となります。
このような、歯茎が痩せていて、噛み合わせが不安定でいろいろな場所で噛んでしまう患者さんの場合は、やはり丁寧にその方の骨格、歯茎、筋肉、粘膜に合わせていかないと、なかなか安定してしっかり噛める状態にはなりません。
少しでも丁寧さを欠くと、入れ歯が動いてしまって痛くてダメだということになりかねないからです。
そして、一般の歯科医院のように、虫歯の治療をしたり、子供さんの治療をしたり、歯を抜いたりする治療をしている横で、こういった丁寧で時間のかかる治療をするのはなかなか難しいのは事実です。
当院では、こういった難症例に属する患者さんに対して、1回の治療を1時間半から2時間かけて診療しています。
丁寧に丁寧にその患者さんの個性に合わせて、歯茎、噛み合わせに合わせて総入れ歯を作っていきます。
当院のようなスタイルで難症例の総入れ歯患者さんに対応している歯科医院は、まだまだ日本には少ないのが現状です。
そのため、右上の難症例に属している患者さんというのは、どの歯医者さんに行っていいのか分からないということになります。
そこで、当院のホームページを見つけていただいて、遠方からでも電車に乗ったり、飛行機を使ったりして、三鷹の澤田歯科医院にいらしてくださっている訳です。
当院は、そういった患者さんに、丁寧に合わせた総入れ歯を提供しますので、しっかり噛める状態が保たれ、胃の負担も減り栄養も摂れて、身体も元気になっていきす。
澤田歯科医院の理念
総入れ歯の中でも、当院が関わらなければならないと思っているのは、非常に難症例(図の右上)に属する患者さんです。
そういった患者さんのために、今後も丁寧に個性に合わせて、時間をかけて難しい症例の総入れ歯治療を提供して行きたいと思っています。
もし、あなたがこういった難症例に属しているのでは?と思われましたら、ご相談に来ていただければと思います。
一度、お口の中の状態、噛み合わせを確認させていただけましたら、いろいろとアドバイスができるかと思います。
どうぞ、お気軽にご相談いただければと存じます。