「いずれ抜けます」と、3年前にお伝えしていました ── 残っていた1本を失っても、作り直さずに済んだ理由
入れ歯を作るとき、多くの方が心配されること
「今は歯が何本か残っている。でも、この先それを失ったら、また入れ歯を一から作り直しになるのだろうか。またお金がかかるのだろうか」
自費の入れ歯を検討される方は、ほとんどがここを気にされます。
安い治療ではありませんから、当然のことだと思います。
今回は、その「その後」の話です。
澤田歯科医院に来院した実際の患者さんのお話です。
3年前、下に残っていたのは1本だけでした
74歳の男性の患者さんです。
当院で上下の入れ歯をお作りしました。上は総入れ歯。下は、右下の3番(前から3番目の歯)が1本だけ残っていましたので、部分入れ歯としてお作りしています。
その1本は、いずれ抜けると分かっていました
診断の段階で、この歯はそう遠くない将来に抜けることになるだろうと見ていました。
そのことは、患者さんご本人にもお伝えしてあります。
患者さんも「残せるまで残したい」との希望もありましたので、
抜歯も、あらかじめ予定に入れたうえで治療を始めました。
だから、その歯にクラスプをかけませんでした

【写真】3年前にお作りした上下の入れ歯です。下の入れ歯の右下3番の位置には切れ込みがあり、金属のばね(クラスプ)はどこにもついていません。
普通、部分入れ歯は残っている歯に金属のばね(クラスプ)をかけて支えます。
歯が支柱になるわけです。
この方の入れ歯には、右下3番にクラスプをつけていません。
いずれ失う歯に頼る形にしてしまうと、その歯を抜いた瞬間、入れ歯そのものが成り立たなくなるからです。
代わりに何で支えたか。頬、唇、舌。入れ歯を取り巻く、動く組織との調和です。
当院ではこれを「包み込みの総入れ歯」と呼んでいます。
歯に頼らず、お口全体で支える。だから歯を失っても、形が大きく崩れません。
この状態で、3年間、問題なくお使いいただきました。
【動画説明】 抜歯の前。右下に歯が1本だけ残っていた時期です。大きく開けても、下の入れ歯は浮き上がりません。(※ 動画には音声は入っていません。)
3年の月日が経ち、2か月前、その日が来ました
歯槽膿漏と噛む力の負担で、その1本の動揺が増してきました。
患者さんご自身からも「そろそろ抜きたい」というお話がありました。
予定していたとおりの経過です。
抜歯しました。
作り直しは、していません
抜いたところに床を足し、人工の歯を足しました(増歯修理)。

【写真】左:修理途中。抜いたところに人工の歯を足しているところです。/右:修理のあと。部分入れ歯が、そのまま総入れ歯になりました。
そのうえで、総入れ歯の形として、頬・唇・舌と調和するように調整しています。
部分入れ歯だったものが、そのまま下の総入れ歯になりました。

【写真】下の入れ歯(噛み合わせの面)。右下3番の位置に歯を足しています。

【写真】下の入れ歯(歯ぐきに接する面)。
抜歯後の入れ歯の修理の費用は、11,000円(税込)です。
3年前にお作りした入れ歯を、そのままお使いいただいています。
大きく口を開けても、浮いてきません
【動画説明】 抜歯して歯を足したあと。同じように、浮き上がりません。(※ 動画には音声は入っていません。)
下の入れ歯は、支えにしていた歯がなくなると、とたんに不安定になりがちです。
この方の場合は、そうなっていません。もともと歯に頼っていなかったこと、そして抜歯後も頬・唇・舌と調和するよう調整したことによるものです。
入れ歯は、作った日が終わりではありません
お口は年月とともに変わります。歯を失うこともあります。
だから当院では、「その後」まで見込んでお作りしています。
いずれ抜ける歯があるなら、その歯に頼らない形にしておく。そうすれば、その日が来ても、慌てずに済みます。
そして、そういう見通しは、あらかじめ患者さんにお伝えします。何年か先に何が起きそうかを、はじめにお話ししておく。
そのほうが、お互いに安心して進められると考えています。
同じようなお悩みをお持ちの方は、
まずは一度、ご相談ください。
■ この症例で行った治療と費用(自由診療)
① 上下の入れ歯の製作(上顎:総入れ歯/下顎:部分入れ歯)
1,100,000円(税込・3年前の製作当時の価格)
※現在の価格は、上下 1,320,000円(税込)です。
② 増歯修理(右下3番の抜歯後、床と人工歯を追加し、総入れ歯の形に調整)
11,000円(税込)
健康保険は適用されません。デンタルローン(最大84回)をご利用いただけます。
■ 主なリスク・副作用
・すべての症例で、増歯修理による対応ができるとは限りません。残っている歯の位置や本数、入れ歯の設計、顎の骨の変化によっては、作り直しが必要になる場合があります。
・将来の抜歯を見込んだ設計ができるかどうかは、診断時点でのお口の状態によります。すべての方に同じ対応ができるわけではありません。
・すべての症例で、装着時から痛みが出ないわけではありません。痛みが出る場合は、原因を見極めたうえで、なくなるまで調整を行います。
・完成後、お口に慣れるまでに調整が必要になる場合があります。
・お口の状態によっては、期待どおりの安定が得られないことがあります。
・顎の骨は年月とともに変化するため、定期的な調整や作り直しが必要になることがあります。
・治療結果には個人差があります。
■ お問い合わせ
澤田歯科医院 東京都武蔵野市中町3-6-19
TEL 0422-52-0193
メールでのご相談 https://www.souireba.com/contact/
LINEでのご相談 https://lin.ee/uTsIAvl
※ この症例は、患者さんご本人から書面で掲載の承諾をいただいたうえで公開しています。
