【質問】大きな入れ歯を入れると話せなくなるって本当ですか?
【院長からの回答】
歯周病などで残っている歯がグラグラになってしまい、数本の歯を一気に抜いて、総入れ歯にしたいとご希望される方がいらっしゃいます。
患者さんとしては、歯のない時期が長いと困るので、いっぺんに治療をしてほしいと思われるのは当然と思います。また、当院でも、患者さんの期待に応えられるように、歯がない期間をできる限り作らないためにも、数本の歯を一気に抜いて入れ歯を広範囲に付け足す修理をよくします。
ただ、そのような多数歯の抜歯・修理の治療をする前には、必ず確認させて頂くことがあります。
それは、いきなり入れ歯を広範囲に覆うことになると、今までのようには話せなくなるということです。
特に、入れ歯が初めての方、そして、大きな入れ歯が初めての方にはこのことをしっかりお伝えしています。
もちろん、ずっと話せなくなる訳ではありません。
良好に発声するためには、入れ歯が入ったお口の状態に慣れる必要があるのです。
そのため、慣れるまでは今までと発声の感じが変わるので、発音がしづらかったり、話が聞き取りにくくなったりすることがあります。
すでにリタイアされていたり、あるいは仕事場で会話がさほど重要でない場合は、話しづらい状況がしばらく続いても問題ないかもしれません。
ただ、お仕事の内容が電話での応対など、会話が重要な場合には、いきなり大きな
入れ歯にして発音が上手くできなくなってしまうと、仕事に差し支える可能性があると思います。
そこで、歯を実際に抜いてしまう前に、修理後に付け足す部分だけを増やして、修理後の状態を体験してもらい、慣れてもらう期間を設けることがあります。
そうしておけば、なかなか馴染めず、どうしても上手くしゃべれない場合には、入れ歯を外してもらうことで対応できるからです。