【質問】総入れ歯にすると味がしないようになるのですか?
院長からの回答
総入れ歯を入れることで味がしなくなる理由は、2つあります。
1つは、上あごを総入れ歯で覆ってしまうため、上あごにある味蕾(みらい)という味を感じる器官が覆われてしまうことです。
味蕾に味が届きにくいために、味を感じられなくなってしまう訳です。
そのため、入れ歯、特に総入れ歯を入れると口の中のかなりの部分を覆ってしまうことになるため、味がしなくなるのが当たり前のように思われています。
しかし、これは誤った認識です。
実は、味蕾(みらい)というのは舌にも存在するので、上あごに味蕾(みらい)を入れ歯で覆っても、十分に味を感じることができます。
味を感じられなくなる理由のもう1つは、
新しい総入れ歯を使い始めたときに、噛み合わせが十分調整できておらず、
食べ物が上手くすりつぶせないためにうま味が絞り出せなくなってしまう事が原因になります。
つまり、総入れ歯の噛み合わせを十分調整し、舌の味蕾(みらい)で味を感じることができれば、
総入れ歯になっても食べ物を美味しく味わうことは可能なのです。
もちろん、ある程度使い込まないと、顎の骨格や機能に調和して食べ物をしっかりすりつぶすことはできません。
総入れ歯の歯の断面がすり減って、ご自身に馴染んで始めておいしく噛むことができるからです。
ただ、当院ではなるべく新しい総入れ歯の段階からも、味を感じられるぐらいに患者さんに合った噛み合わせの総入れ歯作りを目指しています。