総入れ歯は何回通えばできるのか ── 工程を増やしたら、回数が減りました

「総入れ歯ができるまでに、何回くらい通うんですか」
初めてお越しになった方から、いちばん多くいただくご質問です。
お仕事のある方、遠方の方、ご家族に送っていただく方。
何回かかるかが分からないと、通院を決められない。
よく分かります。
お答えすると、いま澤田歯科医院では
通院回数5回、平均して1か月ほど
で総入れ歯が出来上がります。
以前は、6回から8回の通院回数で、期間が2か月ほどかかると、お伝えしていました。
通院回数は減ったのですが、時間を削ったのではありません。
むしろ、工程をひとつ「増やしました」。
総入れ歯を作る手間と時間は増えたのですが、それは患者さんがお帰りになった後の、裏方の院長の作業が増えただけで、その結果、患者さんの通院回数は減ったのです。
今日は、その話を詳しくお伝えします。
東京・三鷹の澤田歯科医院、院長の澤田宏二です。 総入れ歯づくり34年になります。
以前と、いまの総入れ歯づくりの違い
| 以前 | いま | |
| 来院回数 | 6〜8回 | 5回 |
| 期間 | 約2か月 | 平均1か月ほど |
| 通う間隔 | 週に1回 | ご予約次第(詰めれば1〜2週間で完成) |
3年前から、変わりました。
変わったきっかけは2つです。
- 「包み込みの総入れ歯」という作り方にしたこと
- 「予想配列」という工程を、必ず入れるようにしたこと
この2つです。
噛み合わせを決める前に、歯を並べてしまう ──「予想配列」とは
総入れ歯を作るときに歯を並べて、お口の中で確かめる工程があります。
ふつうは、歯を並べるのは、噛み合わせを決めてからでした。
歯を並べてみて、お口に合わせて、「こんな感じです。いかがですか」と、患者さんに見ていただく。
ここで直して、完成に進むのが一般的ですが、これだと、患者さんは完成直前に一回だけ、出来上がりの入れ歯の歯並びを見るだけだったのです。
澤田歯科医院では、歯並びを3回、患者さんに確認してもらいます。
最初に型どりをして、準備の模型ができた時点で、
「この方には、もともとこういう歯が、ここに並んでいたはずだ」
と院長が34年の経験をもとに予想をして、上下の総入れ歯の形を先に作ってしまうのです。
そして、それをお口の中に合わせながら、より患者さんのお顔とお口に合うように、完成に近づけていくのです。
これを、澤田歯科医院では、「予想配列」と呼んでいます。
一般に通っている言葉ではなく、私が名付けたものです。
何を見て「もともとこういう歯が並んでいたはず」と予想するのか
お口の中には、歯があった頃の目印がいくつも残っているのです。
- ・歯ぐきの土手の形(歯の抜けた時期や歯周炎の程度によって、形が違います)。
- ・切歯乳頭(上あごの前歯の裏にある、小さなふくらみ)。
- ・上下の唇小帯、頬小帯(唇や頬の内側にある、すじ)。
- ・ハミュラーノッチ、レトロモラーパッド(上あご・下あごの、いちばん奥にある目印)。
- ・舌側歯肉縁残遺(歯の舌側の縁が、土手にスジとして残っています)。
お口の外にも手がかりがあります。
- ・顔の形、
- ・鼻筋、
- ・口元の張り、
- ・いま使っている入れ歯、
- ・お若いころの写真。
これだけの手がかりがありますので、歯がもともとあった位置を予想して、
並べることができるのです。
この予想は、正解を当てるためのものではありません。
できるだけ、その人の元の自然な状態に近づけていき、完成までにお口に合わせて、より自然で馴染むように修正していくことが目的なのです。
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予想配列は、何で作るのか
予想配列は、噛み合わせを決めるときに土台となる基礎床とワックスを使い、
入れ歯用の人工歯を並べていきます。
一般的に完成直前にできる、試適用のものと同じ材料です。
それを、初診後、最初に採る型から作る模型の上で、すぐに作り始めてしまうのです。
ですから、2回目来院時、3回目、4回目と3回にわたって、お口に馴染むように修正していくことができます。
より患者さんのお口に調和した、自然な総入れ歯を作ることが可能になります。
予想配列は、誰でもできるのか
澤田院長が、34年総入れ歯づくりをやってきて、身につけた技術です。
しかも、院長自ら技工操作(総入れ歯づくり)を行うからこそ、可能になります。
なぜ、先に予想しておくと、回数が減るのか
理由はひとつです。後戻りする必要がなくなるからです。
以前は、こういうことがありました。
・ 型を取る
↓
・ 噛み合わせを決める
↓
・ 歯を並べて、お口で確かめる
↓
・ 「違う」と分かる
↓
・ 型どりのところまで戻る
並べてみて初めて「違う」と分かる、ということがあったのです。
そうすると、前の工程まで戻ります。それによって、通院回数が1回、2回と増えてしまいます。
特に、歯ぐきが痩せている患者さんは、入れ歯の形(デザイン)をイメージするのが難しく、歯を並べてからはじめて、入れ歯の形が見えてくることがあります。
そこで、いまは、いちばん先に歯を並べて、入れ歯の形をイメージできるようにしているのです。
・ 型を取る
↓
・ 予想配列をして、お口に合わせて、確認する
↓ ここで「違う」が分かる
(同時に、型どりの修正と噛み合わせの決定も済ませる)
↓
・ あとは、決まったとおりに進む
「違う」が分かるタイミングを、いちばん前に持ってきました。
だから、後戻りすることがありません。
一度で決まることが増えました。
工程をひとつ増やしたのに、来院回数はかえって減った、ということです。
患者さんにとって、何が良いのか
ここが大事だと思いますので、分けて書きます。
1.通う回数が減ります
通院回数が5回ですみます。
遠方の方なら、日程を詰めて3日間で作ることもできます。
2.早い段階で、見た目を確かめられます
最初に型どりをして、次の通院時に、予想配列をお口に合わせますので、患者さんはいち早く、出来上がりの入れ歯のイメージ、歯の見え方や口元の形を確認することができます。
早い段階で、「出来上がりの入れ歯の感じ、口元の見栄えが確認できる」というのは、患者さんにとってかなり大きな安心につながるのではないでしょうか。
3.痛みの調整が減りました
「包み込みの総入れ歯」にしてから、装着後の痛みの調整が激減しました。
「包み込みの総入れ歯」というのは、歯ぐきに入れ歯を合わせるだけでなく、頬や唇、舌などと調和するようにして、お口の動きを邪魔しないようにしているので、痛むこと、外れることが激減するのです。
ですから、できあがってから何度も通っていただく必要が、少なくなっています。
5回の治療の具体的な内容
(1回目)上下の型どり
(2回目)予想配列をお口の中で試す ← 歯並びの確認 1回目
上下の型どりの修正/噛み合わせの決定
(3回目)ゴシックアーチ(水平的な噛み合わせの決定)
人工歯を並べる位置の確認 ← 歯並びの確認 2回目
(4回目)最終チェック(歯並び、噛み合わせの確認) ← 歯並びの確認 3回目
(5回目)完成。お口の中にセット
この5回のあいだの技工 ── 模型を作る、予想配列をする、歯が噛み合うようにする、埋没する、填入する、仕上げる ── は、すべて院長が院内でしています。
技工所に出していると、その受け渡しのたびに1週間から10日が空きます。
澤田歯科医院では、院内で院長が技工を、診療が終わったその日の夜のうちに進められます。
👉 なぜ、院長が自ら総入れ歯を作るのか、知りたい方は、こちらからどうぞ。
※ 口蓋を金属で覆う金属床の鋳造だけは、専門の技工所に依頼しています。
回数が少ないほうが良い、という話ではありません
この記事では「通院5回でできます」という話をしてきましたが、
単純に、「早いほうが良い」という話ではありません。
もちろん、患者さんにしてみれば、通院回数が少ないのは大きなメリットです。
ただ、通院回数5回でできるのは、工程を省いたからではありません。
むしろ、院長の作業工程は増えています。
後戻りがなくなり、お口に合わせる回数が増えたことで、
出来上がりを確かなものにできているのです。
お口の状態によっては、5回より多くかかる方もいます。
歯が残っている場合や、いわゆる難症例の場合などです。
通院回数を減らすことが目的ではありません。
精度を上げた結果として、通院回数が減ったということです。
まず、お電話でお話ししませんか
総入れ歯のご相談を、院長が直接お電話でお受けしています。
- 費用はかかりません
- 30分ほど
- 1日1名まで(事前にご予約ください)
「うちで治療してください」と勧めることはありません。まずは、いまの状況を一緒に整理するところから始めましょう。
何回くらいかかりそうかは、お口の状態をうかがえば、おおよそお伝えできます。
TEL 0422-52-0193
東京・三鷹の澤田歯科医院 院長 澤田宏二(東京都武蔵野市)
👉「まず仮の入れ歯を作りましょう」と言われた方へ ──「治療用義歯」とは何か
※ 当院の入れ歯治療はすべて自費診療です。健康保険は適用されません。
費用の詳細は[料金表]をご覧ください。
※ 主なリスク・注意点:すべての方が同じ結果になるわけではありません。
治療結果には個人差があります。
お口の状態によっては、5回では完成しない場合があります。
装着後、お口に慣れるまでに調整が必要になる場合があります。
顎の骨は年月とともに変化するため、定期的な調整や作り直しが
必要になることがあります。
